ラーメンズプロデュース・「GOLDEN BALLS LIVE」

初めてみる機会に恵まれました。どうもありがとうございます!
長いので下へ



会場に入って、まず片桐さんが手掛ける舞台美術に度肝を抜かれました。
巨大な線画が舞台にぎっしりひしめいていて、その間をくぐって
役者がでてくるようになってる。
南国っぽい鳥や天守閣、パンダ、美女っぽい足が生えた蟹…。
テーマは「自由」と後で聞いて納得。この方の造形は本当にすごいと思う。

音楽はFPMの田中知之さん。映像は小島淳二さんでこの二人の組み合わせも
とてもよかった。ヨーガのネタでその良さがフルに発揮されてたと思う。
あの音楽、映像でなければあのおもしろさは出ないなあ。

作・演出・出演の小林さんは色っぽく、賢そうで、悪そうな
チャーミングな男だった。彼が女装をして出て来ると、たくさんの女の子たち
キャー、イヤー、などと湧いていた。
みんな、小林さんの手のひらのうえでころころころ、
転がされているのだなあ…。ものすごい策士だろう気配を感じる。

お話は構成がものすごくしっかりしていて、細部まで正確に
”よく出来たデタラメ”が貫かれていて、美意識の高さが感じられた。
出来すぎた誰かの夢に紛れこんだみたいだった。

話に意味を見いだそうとしたら、とことん意味ができるし、
この話に意味なんて別にないと思えたら、本当になにもないって思える。
逆さにすると違う絵に見える絵のような、そんな感じだった。

この方々の公演、何回も観に行っちゃう人がいるのも分かる。
この内容のなかに、さらに毎回アドリブ部分があるっていうなら
確かめてみたくもなるなあ。

笑ってたんだけど只の笑いだけが残るわけではなかった。
もやーんと、なにかの感覚、景色が残る感じ。
誰かの頭の中を旅して帰ってきたかのようだった。