読んだ本

よくある「泣けます!」みたいなハイテンションな文章ではない。
心が静かに、しん、として、いろいろな雑音を洗う雨のように
しみていく物語であった。
ざわざわと主張したことがじつは思っていたこととは離れていて
さほど重要なことではないのに気づく。
ほんとうのことのまわりを、衛星のようにぐるぐる・・。

6年ぶりの新作絵本だそう。絵本はたくさん時間が必要。気や期が熟さないと。
挿画だけはいろいろなところで目にしていたけれど
荒井さんの書いたお話を久しぶりに読んだ。
全体にひりひりした傷みの気持ちにおおわれていると思った。
そのなかで、だれかを思ったり、いたわったりすることについて。
誰かの願いについて思うと胸がくるしいー
ぎゅうとなる。
だいじょうぶだよ!
じぶんにも誰かにも大きくさけびたい。